金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

一日だけの淑女

一日だけの淑女                1933年

フランク・キャプラ監督

物語

大都会で暮らす貧しい中年女アニーは、リンゴを売りながらスペインに離れて暮らすに娘ルイーズに仕送りをしている。ところが娘は、スペインで伯爵と恋に落ち、故郷に錦を飾ると言ってくる。困り果てたアニーはギャングの親分デーブや気のいい市長の尽力で、豪邸に住んでいるふりをしたり、名士を集めたりの大騒動を経験するハメに…

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デイモン・ラニアンの短編小説をフランク・キャプラ監督が1933年に映画化したもの、キャプラはこの題材が気に入ったのか、1961年に「ポケット一杯の幸福」という題名で再映画化している。

この「一日だけの淑女」はアカデミー賞に4部門でノミネートされるが無冠に終わる。この翌年、キャプラ監督は「或る夜の出来事」 で主要5部門の制覇という快挙を成し遂げる。

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ギャングの親分が、路上売りのお婆さんのために一肌脱ぐという話です。親分、初めは乗り気出なかったようだけど、だんだん本気になっていくとこが面白い。心温まるコメディ。

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メイ・ロブスンの演技がいい。娘の幸せだけを願う母親の気持ちが伝わります。ちょっと泣けます。

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まさに名作。キャプラ監督の描くヒューマニズムがいいですね。

※今年5本目の映画鑑賞

 

 

 

ボヘミアン・ラプソディー

ボヘミアン・ラプソディー       2018年

ブライアン・シンガー監督 

フレディ・マーキュリーの伝記映画。

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劇場に観に行きました。アーティストの伝記映画ってファンをがっかりさせるパターンが多いですが、これはクイーン・ファンも納得の出来栄え。

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ラミ・マレックフレディ・マーキュリー。動きも完コピでした。オスカーもの。

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ライブエイドのコンサートはクイーンと同じステージに立っているようで鳥肌もの。是非、劇場で観て下さい。

※今年4本目の映画鑑賞

 

渚にて

渚にて                  1959年

物語

第三次世界大戦が勃発し、世界全土は核攻撃によって放射能汚染が広がり北半球はすでに全滅。僅かに残った南半球の一部地域に人々が暮らすだけになっていた。そんなある日、本国に帰港出来なくなったアメリ原子力潜水艦メルボルンに入港する。そこで艦長タワーズは美しい女性モイラに出会いしばしの休日を楽しむが、その地にも死の灰は確実に迫っていた……

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キリマンジャロの雪」を観たばかりですが、この映画も、グレゴリー・ペックエヴァ・ガードナー が主演でした。

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核戦争後の世界。僅かに残った土地で人々は普通の生活を続けています。やがて飛来してくる放射能を避ける術はなく、ただ死を待つ静かな恐怖感が描かれています。

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この映画は、if (もしも)を描いています。作品の中では人類が絶滅を逃れる手段はありませんが、映画を観ている我々には核戦争を避ける手段が残されていると教えてくれます。

メルボルン州議事堂前の横断幕には、”There is still time..Brothers” (兄弟たちよ、まだ時間はある)と書かれています。

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この映画は、1959年、米ソ冷戦の真っ只中で作られました。それから半世紀が経ちますが、今も、核兵器により人類が絶滅する可能性は無くなっていません。むしろ核兵器が拡散しており危険性が増しているかもしれません。

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映画としてはテンポが悪くて眠くなるところもありますが、なかなかの大作でした。

※今年3本目の映画鑑賞

 

 

 

上海バンスキング

上海バンスキング        1984

深作欣二監督

物語

昭和11年の夏。バンドマンの波多野は、ジャズを諦めるという約束で正岡まどかと結婚し、パリへ向かう途中で上海を訪れる。彼の本当の目的は、上海でジャズ三昧の生活を送ることだった。ところが本当に上海から出られなくなる事件が起きてしまい…

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斎藤燐原作による同名ヒット舞台劇の映画化。松坂慶子風間杜夫志穂美悦子、宇崎竜童、平田満らが出演。深作欣二が監督。

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監督や出演者らの顔ぶれで、どうしても、1982年に公開された「蒲田行進曲」にイメージが重なる。序盤こそ喜劇っぼいけど、中盤な日中戦争が始まるあたりから重苦しい。

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松坂慶子志穂美悦子が旬な感じで良かった。

映画のコピーは「ドンパチやるより、ブンチャカやろうよ!」。作品としては終始ドンパチとブンチャカで終わってしまうのが残念。もう少し人間関係や人物の心理描写を丁寧に描いたらいいのにな。

※今年2本目の映画鑑賞

 

 

 

 

 

キリマンジャロの雪

キリマンジャロの雪           1952年

ヘンリー・キング監督

物語

アフリカで狩猟をしていた小説家ハリー・ストリートは、脚の壊疽で瀕死の状態にあった。救援を呼んだが間に合いそうもない。死を悟ったハリーは、看護する妻ヘレンの制止を振り切り自棄酒を始めた。ハリーは酔い、ヨーロッパ大陸の各所で過ごした日々を回想する

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1936年にアーネスト・ヘミングウェイが発表した短編小説を映画化したもの。ハリウッドを代表する二枚目スター、グレゴリー・ペックが主演。エヴァ・ガードナースーザン・ヘイワードなど女優陣も実力派揃い。

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壊疽で死にかけながら神の山キリマンジャロの下で、悲恋で負った心の傷を癒し、作家として再生する。

↑最愛の女性シンシアとの出会いのシーン

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シンシアとの心のすれ違いをカラーとモノクロを使った映像で演出。名場面でした。

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原作ではハリーは死にますが、映画では助かります。映画会社が一般受けするエンディングを選択したのは理解できますが、これではヘミングウェイ文学の哲学性が伝わりません。素晴らしい映画だけにエンディングは残念。

※今年1本目の映画鑑賞

 

注意 : キリマンジャロの雪(2011年)

↓タイトルは同じですが、全く別の作品なので間違えないように。

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まぎらワシ

 

 

 

 

 

 

 

 

となりのトトロ

となりのトトロ            1988年

宮崎駿監督

物語

田舎へ引っ越してきた草壁一家のサツキ・メイ姉妹と、子どもの時にしか会えないと言われる不思議な生き物・トトロとの交流を描く

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3歳になる姪は今トトロがお気に入り。何回も見た作品ですが、正月に姪と一緒に観ることになりました。

内容的には地味な作品ですが、しっかり子供の心を掴んでしまう宮崎駿監督の凄さに改めて感心しました。大人の評論は不要です。

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企画当初は60分程度の短編で主人公は一人だったそうです。制作過程で長編アニメにすることになり、当初一人だった主人公をサツキとメイの姉妹に変更したそうです。ポスターの女の子は当初企画の名残りだそうです。

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昨年「となりのトトロ」が中国で劇場公開されました。驚きですが”劇場公開”は今回が初めでだそうです。時代や国境を越えて愛され続ける作品なんでしょうね。

※今年の映画鑑賞 0作目

 

 

 

 

 

 

 

 

謹賀新年

明けましておめでとうございます。

 

今年も映画観たり、漫画や小説を読むぞ〜!

って、ご気楽な目標で頑張ります。

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よろしくお願いします。  

                                               2019年元旦 金魚