金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

もやもや日記 : 魔女狩り社会

ピエール瀧さんかコカイン使用で逮捕された。もやもやしたのは、世の中の反応が過剰なこと。

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ソニー・ミュージックレーベルズは13日、同社が取り扱う「電気グルーブ」関連の商品を出荷停止とすることを発表した。店頭在庫も回収し、デジタル配信も停止すると発表した。

この措置に対して、音楽家坂本龍一さんが、同じ音楽に携わる立場として「音楽に罪はない」と苦言を呈すなどしている。

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流石、教授。全く同感です。

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 ピエール瀧の逮捕の話題で盛り上がっている報道バラエティ番組を見てると、中世の魔女狩りを連想してしまいます。

 

という訳で「電グル」応援。


Denki Groove - Shangri-La [Live at FUJI ROCK FESTIVAL 2006]

おまけ、エリック・クラプトン Cocaine


Eric Clapton - Cocaine (Slowhand At 70 Live At The Royal Albert Hall)

麻薬を使用したアーティストの音楽を販売しなくなったら、ビートルズも聴けないよ。

おしまい

ナチョ・リブレ 覆面の神様

ナチョ・リブレ 覆面の神様         2006年

ジャレッド・ヘス監督

物語

修道院で食事係を務めるドジな男ナチョは、孤児たちに美味しい食事をさせたい一心で、幼いころから憧れていたルチャ・リブレの覆面レスラーになる。相棒のスティーブンとともに厳しい特訓を積んだ後、修道院には秘密でリングに上がるナチョ。彼らは連戦連敗を重ねながらも、チャンピオンのラムセスと戦うチャンスを手にする。果たしてナチョは試合に勝てるのだろうか!?

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スクール・オブ・ロック」のジャック・ブラックが主演したコメディ。

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おバカ映画かと思ったら、意外にまともだ。ジャック・ブラックのギャグも普通に受け入れられるレベル。つい「スクール・オブ・ロック」のマニアックな笑いと比較してしまう。

ストーリーもあっさりしていて物足りない感じがしたけど(もしかしたら続編狙いだった?)、まあ気楽に楽しむのにはピッタリ。

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シスターを演じるアナ・デ・ラ・レゲラ。美人。

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※今年43本目の映画鑑賞

廿日鼠と人間

廿日鼠と人間             1939年

ルイス・マイルストン監督

物語

子供並みの知能を持つ大男・レニーと聡明な小男・ジョージは仕事を求めて農場を点々としていた。自分たちの農場を持つ夢を見ていたふたりだったが…

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3/4にゲイリー・シニーズ監督によるリメイク版を観たが、こちらは1939年に製作されたルイス・マイルストン監督のオリジナル版。

オリジナルとリメイクを比べるとオリジナルの方が良いパターンが多いが、この作品はリメイクの方が良い。カラーだし、演出も洗練されていて俳優の演技も良かった。

もっともオリジナルあってのリメイクで、構成や演出は殆どオリジナルで完成している。リメイクはコピーの感がある。

 

(雑ネタ)

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ジョージを演じたバージェス・メレディスは、なんと、ロッキーのトレーナー役なんですね。

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レニー役のロン・チェイニー・ジュニアはこの役でヒット。1940年代に狼男、ミイラ男、フランケンシュタイン・モンスター、ドラキュラの4大モンスターをすべて演じ、怪奇のトップスターとして活躍しました。

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※今年42本目の映画鑑賞

 

 

 

おいしい生活

おいしい生活                 2000年

ウッディ・アレン監督

物語

 元ギャングのレイは、銀行の隣の空家を借り、そこから穴を掘って銀行の金庫を破る計画を立てる。 その空家で人の目をくらますために開いた妻フレンチーが始めたクッキー屋が予想外に繁盛してしまい…

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ウッディ・アレンの映画です。主人公はドジなコソ泥で、1969年の「泥棒野郎」に通ずるところがあります。「おいしい生活」の公開は2000年、ウッディ・アレン(当時65才)は白髪混じりで年を感じてしまいますが、ギャグセンスは相変わらず。

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クッキーのフランチャイズに成功し金持ちになったレイとフレンチーだが、金に困らなければ十分だったレイと、上昇志向が強いフレンチーとのすれ違いなど、笑いの中に、上流社会や金持ちに対する風刺が効いています。

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フレンチーの従姉妹メイ(エレイン・メイ)のトンチンカンが笑えます。脇役ながら存在感がありました。

知らなかったのですが、エレイン・メイは「ニコルズ・アンド・メイ」という喜劇コンビで1962年にグラミー賞の最優秀コメディ・パフォーマンス賞を受賞しているほどの方でした。ウッディ・アレンと同じく脚本家や映画監督としても活躍しています。

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ドタバタより脚本自体が面白い。受けの良いコメディでないかと思う。

※今年41本目の映画鑑賞

 

 

もやもや日記 : 電力砦の三悪人

東電旧経営陣3人の公判結審。被告らは無罪を主張。判決は9月19日

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3/12 福島第一原発の事故から丁度8年。この日に合わせたように公判が結審した。

 

勝俣恒久 元会長

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2008年2月の「御前会議」と呼ばれる社内会議での予測報告は「記憶がない。勘違いと思う」と否定。

当時原子力設備管理部長だった吉田昌郎福島第1原発所長(故人)が「14メートル程度の津波が来る可能性があると言う人もいる」との発言については「聞いた」とした上で「半信半疑のムードだった」と重視していなかった。

 

武藤栄 元副社長

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2008年7月、津波対策に防潮堤の建設などに数百億円の費用と4年の期間が必要との見積もりに対して「根拠が十分でない仮定の試算」として、当面は想定を変更せず対策を先送りするよう指示したとされる。

 

武黒一郎  元副社長

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黒被告は最大15・7メートルの津波原発の敷地を襲うとする試算について、武藤副社長から報告を受けたが、「記憶はないが、(報告するよう指示していたので)あってもおかしくはない」と答えた。

 

何故か起訴されなかった元社長

清水正孝 元社長

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勝俣会長の娘婿。震災時は、平日にもかかわらず妻と秘書を連れて奈良観光をしていたそうです。原発事故が発生すると緊急入院(雲隠れ)しました。

 

史上例のない放射能汚染という取り返しのつかない大災害を引き起こした東電経営陣の罪は万死に値すると言えましょう。

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しかし求刑は禁錮5年。たった5年です。セシウム半減期だって30年なのに‥ 休憩5年か?

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まあ、本当のところ、裁判の結果には興味ないです。老人を牢屋に入れても仕方ないし、それで罪が償われるとも思わない。茶番です。

東電経営陣よりも、原子力発電所の安全対策を民間企業の裁量に委ねていた国や監督機関の責任を問うべきでしょう。本当に悪い奴は見えないのです。

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おしまい

泥棒野郎

泥棒野郎                1969年

ウッディ・アレン監督

物語

52件の犯罪を犯して、合計800年の懲役刑を受けたバージルという男の半生を偽ドキュメンタリー方式を用いて描いたクライム・コメディ。

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ウッディ・アレンの初監督作品。犯罪者バージルの生涯を追ったドキュメンタリー風のコメディ作品。

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ウッデイ・アレンが演じるバージルのコント的なドラマと、関係者の証言インタビューが交互に来る構成で、掛け合い漫才のようでテンポがよい。

ウッディ・アレンのコントは、チャップリンやMr.ビーンみたいに体を使って演じるフィジカルコメディーだが、インタビューの方はタモリが好きそうなシュール系トーク。複雑な笑いのミックスだ。

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↑変装してインタビューに答えるバージルの両親

 

ドラマ自体もスクリューボール・コメディみたいな要素があって、バ-ジルの恋人のルーイズ(ジャネット・マーゴリン)との関係が映画作品としてのストーリーを支えている。

アニー・ホール」のスタイルは初監督作品から既に確立していたようです。

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ジャネット・マーゴリン、なかなか可愛い。

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ウッディ・アレンのシニカルなユーモアは、人により好き嫌いがありそうですが、ギャグ満載で面白かった。

※今年40本目の映画鑑賞

シェーン

シェーン                             1953年

ジョージ・スティーヴンス監督

物語

南北戦争後の西部に暮らす、開拓移民のスターレット家族の家に流れ者のガンマン、シェーンがたどり着く。シェーンは一家と仲良くなりスターレット家と生活を共にするが、土着の牧場主ライカーらと開拓移民の争いが激しくなり、ライカーの雇ったガンマンにより農民が殺される事件が発生する。スターレット家にも危害が及ぶことを防ぐため、シェーンは単身でライカー一味との対決に向かう。

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「シェーン、カムバーック 」というラストシーンが有名な西部劇。ガンマンと少年の心の交流を描いた名作です。

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シェーン(アラン・ラッド)

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ジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)

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シェーンは何故去って行ったのか? 諸説あり。

馬に乗って去って行くシェーンは実は馬上で死んでいたという説があって、何回もラストシーンを見てしまった。確かにシェーンは決闘で撃たれ負傷している。かなりの裏読みだが、少年を悲しませまいと去ったとすれば格好良すぎ。

他には、スターレットの奥さんへの想いが一線を超えてしまう前に去ったという説もある。奥さんもシェーンに惹かれていたけど不倫を勘ぐるのはイヤラしいな。

あと、シェーンは西部開拓時代の変化を象徴していて、彼が去っていくのは、ガンマンの時代の終わりを意味しているという説もある。この読みは深い。

まあ、理由はどうでも良くて、とにかくヒーローは格好良く去っていくものです。

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※今年39本目の映画鑑賞