金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

小津安二郎 監督

一人息子

一人息子 1936年 小津安二郎監督 物語 早くに夫を亡くしたつねは、田畑を売り身を削って一人息子の良助を育てた。優秀な成績を誇る息子のため、つねは苦しい生活の中から進学のための資金を捻出。しかし13年後、東京で出世しているはずの良助は、夜学の教師…

長屋紳士録

長屋紳士録 1947年 小津安二郎監督 物語 終戦直後の東京下町。夫と子供を失ったおたねは、一人で荒物屋を営んでいた。近所に住む占い師の田代が、見知らぬ子供を連れておたねの家を訪れる。田代は戦争孤児らしい幸平という名のその子供を、一晩だけ預かって…

風の中の牝雞

風の中の牝雞 1948年 小津安二郎監督 物語 戦争が終わり、困窮した生活の中で夫の復員を待ちわびる妻が、子供の病気の治療費のために一度だけ売春をしてしまう。まもなく夫が帰還する。妻は良心の呵責に苦しみ、ついに真相を夫に告白してしまう… 小津安二郎…

秋刀魚の味

秋刀魚の味 1962年 小津安二郎監督 物語 妻に先立たれた男が直面する、老いへの不安と娘の結婚をめぐる家族の関係を描く。 小津安二郎監督の遺作だが、小津映画を総括したような定番メニュー。妻に先立たれた男が娘を嫁にやる話。父親役も定番の笠智衆。 新…

秋日和

秋日和 1960年 小津安二郎監督 物語 共通の友人だった三輪の七回忌で、間宮、田口、平山の三人は、未亡人である秋子とその娘アヤ子と再会。婚期を迎えたアヤ子に結婚相手をと、三人はお節介を焼こうとするが、当の本人はまだ結婚の意思がないと言う。アヤ子…

宗方姉妹

宗方姉妹 1950年 小津安二郎監督 物語 宗方家の長女節子は、酒浸りの夫を抱えてバーを営んでいる。妹の満里子にはそんな姉がもどかしかった。ある日満里子は、姉の昔の恋人の事務所を訪れる……。対照的な姉妹を中心にした物語。 大佛次郎の小説が原作。昼ドラ…

お茶漬けの味

お茶漬けの味 1952年 小津安二郎監督 地方出身の商社マンが社長の親友の娘と結婚。やがて中年に差し掛かった夫婦は、感情のすれ違いに直面する。 小津さんの映画はいいな。構図や会話に慣れてくると日曜日の「サザエさん」くらいリラックスできます。 遠慮や…

浮草

浮草 1959年 小津安二郎監督 物語 旅回りの駒十郎一座の乗った船が港に着いた。駒十郎は一膳飯屋にお芳を訪ね、その昔二人がもうけた清も今では郵便局に勤めていると知って安心する。清には駒十郎はお芳の兄ということになっていた。駒十郎の連れ合いのすみ…

お早よう

お早よう 1959年 小津安二郎監督 物語 郊外の住宅地、長屋のように複数の家族が隣り合って暮らしている。林家の息子実と勇はテレビがほしいと両親にねだるが、聞き入れてもらえない。子供たちは、要求を聞き入れてもらえるまで口を利かないというストライキ…

彼岸花

彼岸花 1958年 小津安二郎監督 物語 平山(佐分利信)は長女・節子(有馬)の縁談に思いを巡らせていたところ、突然会社に現れた谷口(佐田)から節子と付き合っている、結婚を認めてほしいと告げられ憤慨する。駆け落ちしている友人の娘・文子(久我)には…

早春

早春 1956年 小津安二郎監督 物語 蒲田に住む若いサラリーマン(池部良)が通勤電車で知り合ったサラリーマン仲間たちと遊ぶようになるが、それがもとで同僚のちょっと不良っぽい娘(岸恵子)と関係を持ってしまい、そもそも気まずかった妻(淡島千景)と決…

東京暮色

東京暮色 1957年 小津安二郎監督 物語 銀行員の杉山は、同居する次女・明子を心配している。母親の愛を知らずに育った明子はその寂しさを紛らすように複数の男と遊び歩いていた。そんなある日、明子は妊娠していることに気づき…。 この映画は原節子さんも出…

麦秋

麦秋 1951年 小津安二郎監督 物語 北鎌倉に住む間宮家では適齢期を過ぎた娘紀子の結婚が何より気がかり。当の紀子は大手の会社で秘書として働き、いまだのんきに独身生活を楽しんでいる風だった。やがて、そんな紀子に縁談話が立て続けに舞い込むのだったが……

晩春

晩春 1949年 小津安二郎監督 物語 妻を無くし、たった二人で暮らす父と娘の親子の物語。父を気遣い結婚しない娘に、父は結婚を勧める。 原節子が出演した「晩春」、『麦秋』、『東京物語」は、原節子が演じる女性の名前がいずれも紀子で、紀子三部作と言われ…

東京物語

東京物語 1953年 小津安二郎 監督 物語 故郷の尾道から20年ぶりに東京へ出てきた老夫婦。成人した子どもたちの家を訪ねるが、みなそれぞれの生活に精一杯だった。唯一、戦死した次男の未亡人だけが皮肉にも優しい心遣いを示すのだった… 有名な「東京物語」で…