金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

そうだ小説を読もう 14

わたしを離さないで(Never Let Me Go)
カズオ・イシグロ

 

物語

 1990年代末のイギリス。「介護人」キャシーは、ヘールシャムと呼ばれる施設で育てられた「提供者」達の世話をしている。そもそも、キャシーも生まれながらにしてヘールシャムで育った提供者である。施設を出て、大人となったキャシーは、閉鎖的なヘールシャムでの子供時代を回想していく。

 

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)


SF作品だと思って読んだのですが、SF仕立ての文学でした。ノーベル賞作家だもんね。

特殊な設定はメタファーで、アイデンティティを求めたり、受け入れ難い運命を知り受け入れていく人間そのものを描いた作品。

 

骨太、エンターテイメントが好きな自分には合わないのですが印象に残る作品です。「日の名残り」は読んでみたいな

 

映画化や舞台化はされていますが、間違っても萌えアニメにはしないで欲しい。