金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

ゴジラ VS シン・ゴジラ

七人の侍」が公開された昭和29年に「ゴジラ」も公開されています。

 

ゴジラ      1954

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 ゴジラは、米映画「原子怪獣現わる」(1953)に影響を受けた怪獣企画ですが、1954年3月ビキニ水爆実験で起きた「第五福竜丸事件」など社会問題から発想から「度重なる核実験により海中洞窟にいた太古の巨大怪獣が安住の地を奪われ、地上に現れる」という設定になりました。

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 戦後の暗く混沌とした政治や、残酷な核兵器に対する怒りがゴジラの力になっています。ゴジラが国会議事堂を破壊するシーンは一種のカタルシスです。

 

 原子怪獣現れる     1953

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ゴジラはこの映画のパクり企画(公式には認めていない)だが、米映画が恐竜のイメージに忠実なのに対して、日本では、ある程度は知性や感情があり直立して歩く怪獣として作られました。この辺りはキングコングの影響らしいですが怪獣に対する日米の好みの差が出ています。

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 1962年には本家キングコングとの対決も成し遂げました。

 

シン・ゴジラ 2016

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 エヴァンゲリオン庵野秀明監督が制作したゴジラ。累計観客動員数550万人、興行収入80億円を超える大ヒットとなった。

 

僕も劇場で観ましたが、作品でとくに良かったのは序盤、ゴジラが正体不明生物として現れて街を破壊するシーンです。進化中のゴジラは怪獣映画が失っていた恐怖感が蘇っていました。

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庵野監督、流石です。

 

 

シン・ゴジラのテーマについて

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映画のコピーにある通り、ゴジラに対応する政治家や官僚の対応ぶりが批判的に描かれます。(この辺の演出がくどくて‥)

関東大震災時の政府の危機管理に対する国民の不満や怒りも思い出されます。

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最終的には福島原発のように冷却してゴジラを停止させることで終了します。

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凍結したゴジラどう処分するのか、日本をどう再建していくのか、既視感のあるシーンです。

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シン・ゴジラは1954年のゴジラよりリアルで絶望的でした。