金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

ルイス・サッカー 他の作品

ルイス・サッカーさんの作品では、実はHoles以前の作品が好きです。
Holesは、ミステリーとか冒険とかエンターテメント性が強いですが、盛ってる感があって、あまり盛っていない以前の作品の方がルイス・サッカ-の児童作家としての手腕が光っているように感じます。

そんな作品を三つ程、ご紹介。

トイレ間違えちゃった以外は翻訳本がありません。

 

There's a Boy in the Girls' Bathroom

トイレ間違えちゃった 1988

物語
主人公は小学生で留年している子供、粗暴でクラスの嫌われ者。クラスの一番後ろの席に座らされており誰も近寄らない状態です。本人も周囲に心を閉ざしていて、友達になろうと声をかけてくれた転入生に「金を出さないと唾かけるぞ」と反撃する始末です。
そんな彼に転機が訪れます。学校に児童カウンセラーの女性の先生が赴任します。この先生との交流を通して少年は少しづつ変わっていきます。

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小学生のとき、クラスのこんな奴いたよな、みたいに思って読みました。少年の成長が感動。ラストが爽やかで良かったです。

 

Someday Angeline    1983
オクトパス(蛸)・・生まれてすぐアンジェリンは言葉を喋ります。彼女は生まれる前は海にいたのかもしれません。

8歳になったアンジェリンですが、とても頭が良くて飛び級のクラスにいますが、頭が良すぎて先生からも嫌われ、クラスでも浮いている存在です。お母さんは早くして亡くなっていて、アンジェリンを一人で育ててきた清掃業のお父さんは、天才とおぼしき娘にどう接していいのか悩んでいます。
周りから腫れ物扱いで身の置き場のないアンジェリンは、ある日、学校から逃げ出して水族館に行きます。そこには生まれる前に知っていた海の仲間たちがいました。授業をさぼったことが学校で問題になります。彼女はまた逃げ出します。今度は海を目指します・・・。

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ちょっとファンタジーな感じもあります。少しだけポニョっぽい感じ。可愛らしい作品です。ラスト(ハッピ-・エンド)も良くて感動。

 

Dogs Don't Tell Jokes 1991 

物語
いつかアンジェリンでただ一人、アンジェリンのお友達だったのはコメディアンになることを夢見るグーン。本作はそのグーンの物語。
グーンはいつも、へらへら笑っている。虐めにあってもジョークで返すような少年で、みんなからは間抜けのグーンと馬鹿にされている。親も、そんな子供を心配している。

ある日学校の催しでタレントショ-の企画が持ち上がります。グーンはみんなを見返すためにスタンダップ・コメデイアン(ジョークを言って笑わせるコメディアン)として舞台に立つことを決意します。

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英語のジョークが難解でした。訳しても意味がわからないものがある・・語学力の低さを痛感しながら読みました。でも面白かった。これもラストが良かった。

 

ルイス・サッカーさんの魅力

児童も大人と同じように複雑な人間関係があり、いろいろな悩みを抱えています。ルイス・サッカーさんの魅力って、大人目線でなく児童に寄り添った物語を書けることだと思います。