金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

小説 : 解錠師

解錠師         スティーブン・ハミルトン

物語

八歳の時にある出来事から言葉を失ってしまったマイク。だが彼には才能があった。絵を描くこと、そしてどんな錠も開くことが出来る才能だ。孤独な彼は錠前を友に成長する。やがて高校生となったある日、ひょんなことからプロの金庫破りの弟子となり、芸術的腕前を持つ解錠師に……
非情な犯罪の世界に生きる少年の光と影を描いた作品

解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ミステリーと一口に言っても、いろいろなミステリー作品があります。この「解錠師」は、本当に面白かった。世界のミステリー賞を取りまくった傑作だけのことはあります。

 

実は、ミステリーと言いながら、この作品にはトリックは一切ありません。

小説の冒頭、解錠師マイクは刑務所に入っていて、恋人のアメリアにラブレターを送っています。なぜ彼は口を利かなくなったのか、なぜ獄中にいるのか、マイクの回想によって時系列を遡って解き明かす、そんなミステリーです。

マイクの生い立ちやアメリアとの切ない恋が心打つ小説でした。

 

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 Steve Hamilton