羅生門 1950年
物語
平安時代、平安時代のとある薮の中。盗賊、多襄丸が昼寝をしていると、侍夫婦が通りかかった。妻に目を付けた多襄丸は、夫をだまして縛り上げ、夫の目の前で妻を強姦する。しばらく後、現場には夫の死体が残され、妻と盗賊の姿はなかった。 事件の取り調べが行われ、多襄丸、武士の妻、更には巫女に降霊された侍が証言するが三者の証言はそれぞれ異なるものであった‥。
芥川龍之介の「羅生門」と「藪の中」を原作にした作品。 日本映画として初めてヴェネツィア国際映画祭金獅子賞とアカデミー賞名誉賞を受賞し、黒澤明や日本映画が世界で評価されるきっかけとなった。
朽ち果てた羅生門のセットが凄い。白黒映画で迫力が出るように雨には墨汁を混ぜて灰色にしていたそうだ。
木こり(志村橋)の、「わかんねぇ、さっぱりわかんねぇ」と言うつぶやきから始まる。
三船敏朗、今回の役は盗賊だが野性味溢れていてカッコいいね。
三船敏朗に負けない熱演の京マチ子さん。
「藪の中」の話も、「羅生門」の話も人間のエゴイズムの醜さを描いていますが、映画は羅生門に捨てらた赤ん坊を木こりが引き取る話で終わります。
原作にある人間不信を裏切る展開で、もし芥川龍之介がこの映画を観たらどう言うかわかりませんが、ヒューマニズムと希望を感じさせるエンディングで良かったと思います。
今年23本目の映画観賞