クラッシュ 2004年
ポール・ハギス監督
物語
クリスマスを間近に控えたロサンゼルスで発生した1つの交通事故を起点に、多民族国家であるアメリカで暮らす様々な人々を取り巻く差別、偏見、憎悪、そして繋がりを描く。
2006年、第78回アカデミー賞の作品賞を受賞した作品。人種差別を扱ったドラマで、主人公は無く、様々な人物とエピソードが交差して物語が進む。
警察官の話が一番印象的だ。人種差別的な警官が黒人を事故車両から救出する。
一方、人種差別を普段から嫌っていた同僚の若い警察官は黒人を射殺してしまう。皮肉な話であるが、どんな人間にも心の底に偏見や差別心があるということを考えさせられる。
ペルシャ人店主とメキシコ人錠前屋の話も印象的でした。このエピソードはクリスマスの奇跡みたいな話ですが、スリリングで面白かった。
ドラマはクリスマスの時期に設定されており、差別による様々な不幸に対する「神への祈り」が描かれます。ラストシーンのロサンゼルスに降る雪は感動的です。
アメリカ社会の問題を扱った映画なので、僕には理解が及ばないところもあるが、普通に良いヒューマン・ドラマという印象。
突き抜けた感じがなく、アカデミー賞の最高作品賞とは名前負けしている気がするが、ストーリーテリングは上手で同時に受賞した脚本賞は納得。
※今年80本目の映画鑑賞