「ピエロ」と呼ばれるフェルディナン(ベルモンド)は、不幸な結婚をしていた。退屈な生活から逃げ出したい衝動に駆られていたフェルディナンは、ふと出会った昔の愛人であるマリアンヌ(カリーナ)と一夜を過ごすが、翌朝見知らぬ男性の死体を見つけ、彼女と共に逃避行を始める。
ヌーヴェル・ヴァーグの最高峰。
男女の逃避行を描いた作品です。男は退屈な生活から、女は犯罪組織から…
一応、ストーリーはありますが「起承転結」ではなく「序破急」みたいな展開で話が進みます。シーンの繋がりは、差しはさまれる絵やポエムで分断されていて、映画における時間概念が意図的に壊されています。この男女のロマンチックな逃避行は一週間だったのか、一ヶ月だったのか分かりません。なにか永遠を感じさせる演出です。
正直、ちょっと退屈で途中、何回も眠りそうになりました。
映像はスタイリッシュで、フランス語のお喋りもお洒落です。ずばり、雰囲気を楽しむ映画でしょうかね。ゴダール以前には、こういう映画は無かったのだから革命的な作品です。
この映画を見て、北野武監督の「HANA―BI」が、この映画にインスパイアされたものだと気がつきました。北野武がヨーロッパでウケがいい理由なんでしょうね。
あと小ネタですが。マリアンヌがハサミを突き出すシーンがリュック・ベッソンのフィフス・エレメントに似ていました。フランス人同士だから軽くオマージュしたかも。
※今年118本目の映画観賞