処女の泉 1960年
物語
中世のスウェーデンを舞台に、陵辱の果てに命を奪われた少女の悲劇と、彼女の父親による復讐を描いた作品
イングマール・ベイルマンはスウェーデンの映画監督。「20世紀最大の巨匠」と言われ、映画ファンだったら知らない人はいないようです。と、いいながら初めてベイルマンの映画を観ました。
インゲリという奉公人は、主人の娘カーリンを妬み悪意を持っています。彼女の存在はカーリンの不幸を暗示し冒頭からドラマに緊張感を与えていた。
乙女が教会に蝋燭を届けるのが習わし。カーリンはインゲリを付人にして馬に乗って行きます。
羊飼いの兄弟はカーリンに下心を抱き近寄るのだか、世間知らずなカーリンは羊飼いの兄弟に弁当を振舞ったりする。カーリンは陵辱され殺害されてしまう。
羊飼いの兄弟は、カーリンの家とは知らずにテーレの家に一夜の宿を乞います。カーリンから奪った着物を母親に売ろうとして娘の殺害を悟られ、事件を知った父親は羊飼らに復讐をする。
羊飼いを殺害した後、インゲリに案内され娘の亡骸に対面します。神の不条理を恨みながら、神への赦しを乞います。テーレはカーリンの亡骸のあった場所に教会を立てることを誓います。すると、カーリンの亡骸のあった場所から泉が湧いてきました。
ついついネタバレ。中世の北欧伝説を映画化したものだそうです。ベルイマンは黒澤明をリスペクトしていて、本作は「羅生門」の影響を受けて誕生させたと言われています。なるほど映像に迫力を感じました。
※今年13本目の映画鑑賞。