群衆 1941年
物語
クビを切られることとなった新聞社のアンは苦肉の策として、クリスマスイブの夜に市庁舎の屋上から飛び降りることを旨とする、ジョン・ドゥーという架空の人物による投書をでっちあげる。この投書が新聞に載るや否や、反響は凄まじいものになる。発行部数を伸ばしたい新聞社は、この投書のジョン・ドゥーという人物を誰か雇って演じさせ、新聞記事にしたりと商売にしようとたくらむ。そこで選ばれたのは、たまたま新聞の求人広告を見て新聞社を訪れた、元野球選手の浮浪者だった。
原題は「 Meet John Doe 」 John Doeは「名無しの権兵衛」のような言葉で、平均的な市民を指します。
ゲイリー・クーパーとバーバラ・スタンウィック。ゲイリー・クーパーも男前だけど、バーバラ・スタインウィックは美し過ぎ…。
物語は序盤は喜劇みたいだけど、だんだんシリアスになります。ジョン・ドゥーの役割が重荷になり逃げ出した主人公は熱烈な支持者に見つかってしまいます。偶像として祭り上げられ、引っ込みのつかない状況に追い込まれていく展開はなかなか恐い…
ラストは、クリスマス・イブの市庁舎が舞台になります。(脚本の上手さを感じました。)
アメリカの理想を訴えながら、一方で行き詰まりも感じてしまう作品。結末はキャプラ監督も悩んだそうで、いくつもバージョンを撮って思案し、最終的に選択した結末にも満足していなかったそうです。
※今年23本目の映画鑑賞。