大人は判ってくれない 1959年
物語
アントワーヌ・ドワネルはパリの下町に住む13歳の少年。学校ではいつもいたずらばかりして先生に目をつけられている。共稼ぎの両親は、夫婦仲が余りよくなく何かと口論ばかりしていた。そんなある日、遊ぶ金に困った彼は父の会社のタイプライターを盗んで質に入れようとしたが、すぐにバレてしまい、両親は彼を少年鑑別所に入れてしまう……
原題は「les quatre cents coups」直訳は「400回の殴打」。フランス語の言い回しで「あらん限りのバカをする」の意味。
ヌーヴェル・ヴァーグの巨匠トリュフォー初の長編作品。この作品でトリュフォーは27才の若さでカンヌで監督賞を受賞する。作品は両親の離婚から孤独な少年時代を過ごし、幾度も親によって感化院に放り込まれた自身の経験を元に作られている。
アントワーヌの身になって見ると切ない。母親の浮気現場を目撃するし、学校の先生に問題児扱いされるし。家にも学校にも行き場を失って、遂には少年鑑別所に放り込まれるし…
「一体どうしたらいいんだ」って気持ちになりますよね。思春期に誰もが感じる孤独感を思い出させる作品でした。この映画は芸術です。
※今年24本目の映画鑑賞