金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

青いトリトン

青いトリトン  /  手塚治虫

復刊ドットコム    上下2巻

物語

岬の洞窟に捨てられていた赤子・トリトンは、人間に拾われ陸で育っていく。しかしある日、白いイルカのルカーによって、自分が海底人「トリトン族」の末裔であることを明かされる。トリトン族は海を支配する種族「ポセイドン族」により絶滅させられ、更にポセイドン族は地上の支配をも目論んでいると知ったトリトンは、ルカーに乗りポセイドン族の野望を打ち砕くため七つの海を奔走する。

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1969年9月1日から1971年12月31日まで「サンケイ新聞」紙上に、1日1ページの形式で、2年以上掲載された。単行本化の際に「海のトリトン」に改題された。

復刊されたオリジナル版は新聞掲載時のイメージ通りでセリフも手書きとなっています。

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子供の頃、初めて読んだ長編のストーリー漫画が「海のトリトン」(秋田書店)でした。今回、数十年ぶりに読み直したら、一頁一頁、一コマ一コマが懐かしい。僕にとって特別な漫画です。

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物語は「トリトン族 vs ポセイドン族」という構図から「海の一族 vs 陸の人間 」という構図に変わります。トリトンはポセイドンとの決着をつけるため、ポセイドンを道連れにして死んでしまいます。人間との共存はトリトンの息子のブルーに託されます。

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アニメは原作とは異なる内容になりました。監督をした富野由悠季は、手塚治虫がアニメ製作に口を出さず自由に原作を改変させてくれた理由について「手塚は原作を失敗作だと考えていたのではないか」と推察しています。おそらく手塚治虫は、ピピ子と子供達を残してトリトンを死なせてしまうエンディングはアニメ向きでないと考えたのだと思います。

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しかし子供の頃に読んで面白かったものが、年とって読んでも面白い。作品が素晴らしいのか、自分が成長していないのか…(笑)

※今年の漫画読書 10本目