でっかい でっかい野郎 1969年
野村芳太郎監督
物語
無学で大酒飲みの暴れん坊、南田松次郎 は三池の保護司に手に負えないと厄介払いされた。松次郎は若松で保護司をしている山口医院を訪ねる。院長山口 は松次郎に病院の一室を与えダルマ船の清掃夫の就職を世話した。始めは猛烈に反対した夫人の静子も松次郎が外見に似ず意外にイジラシイところがあると気付き、彼を暖かい目で見るようになる。ところが、その松次郎が思わぬ事件で話題の人となり、「二代目無法松」と騒がれる。松次郎はすっかり有頂天になるのだが…。
「拝啓天皇陛下様」シリーズでコンビを組んだ野村芳太郎監督と渥美清が贈る人情喜劇。北九州市・若松を舞台にした作品。
昨日の「スクラップ集団」は1968年公開。そして、この「でっかい でっかい野郎」は1969年4月に公開されている。この頃、テレビドラマ版の「男はつらいよ」が放映されていて、1969年8月には劇場版が公開される。渥美清の人気が沸騰した頃の作品。
髭面で登場する渥美清。大酒飲みの乱暴者、炭坑では「鬼ころしの松」と呼ばれていた。ちなみに「鬼ころし」は焼酎の名前です。
ハナ肇の馬鹿シリーズを彷彿するが、ハナ肇が演じる「ヤバい馬鹿」はシュールな笑いを誘うが、渥美清の方は「愛すべき馬鹿」で心和まされる。
ある事件をきっかけに「無法松の一生」の二代目松騒がれ人気ものになる。本人もその気になり、意中の娘の知世(中川加奈)の気を引こうと、太鼓や追分を習ったりするのだが…
でも彼女に既に恋人がいて…という、お決まりの展開、「男はつらいよ」みたいですね。
長門裕之や伴淳三郎、岩下志麻が出演。渥美清との化学反応で共演する俳優まで活き活きしてくる、
渥美清の喜劇役者としての大きさを感じました。本当に「でっかい でっかい野郎 」です。
※今年93本目の映画鑑賞