金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

女だけの都

女だけの都                   1935年

ジャック・フェデー監督

物語

17世紀初頭、フランドル地方のボーム市は、年に一度の祭りを明日に控え、浮き足立っている所に、凶暴で名を馳せるスペイン軍来訪の報を聞く。役人どもは市政の表舞台から姿をくらまし、突然の市長の死をでっち上げた。男はみな服喪し、公の場には出てこないとなれば、もてなしは女の役目となる。

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ジャック・フェデー監督の代表作。ベネチア国際映画祭で監督賞を受賞。

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残虐・無慈悲と恐れられたスペイン軍が町に逗留することになり町長らは大慌て。町長が急死したとつくろって、公一行にご遠慮願おうなどという”ヘタレ”ぶり。頼りにならない男たちを尻目に、町長の夫人コルネリアは町の女を集めて公爵を手厚くもてなす作戦を立てる。

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古代ギリシアの喜劇作家アリストパネスによる戯曲「女の平和」を連想します。だらしない男に替わり、女たちが活躍する物語です。

主演のフランソワーズ・ロゼーは美しく、勇気ある女性を見事に演じています。

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細かな時代考証、セットや美術が素晴らしい。当時の風俗や生活をいきいきと描いていて、本当に中世の世界を見ているようです。

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絵巻物を見ているようで、楽しい作品でした。

※今年95本目の映画鑑賞