ええじゃないか 1981年
今村昌平監督
物語
幕末の日本、船が難破してアメリカへ渡っていた源次が6年ぶりにようやく江戸の町へ帰ってきたが、妻のイネはそれふけ小屋(今のストリップ劇場)に売られていた。小屋のある東両国は芸人やスリ、乞食たちの巣窟と化しており、一帯を仕切る金蔵は薩長と結託し、当時日本中に流行する“ええじゃないか”に乗じて、群集を扇動させて豪商などを襲わせるが……
巨匠 今村昌平が構想10年、制作費5億円をかけたが興行成績は振るわなかったという曰く付きの作品。
泉谷しげる、桃井かおり、露口茂、草刈正雄など豪華なキャスト。
今村昌平は後のインタビューで、最も撮り直したい作品に挙げ、失敗に終わった理由について、「脚本は悪くなかったが、桃井かおりではなく太地喜和子を起用すればよかったと。」語っている。監督のイメージに合わなかったのだろうが、桃井かおりは大熱演していたので気の毒なコメントだ。
興行的な失敗はさておき、凄い映画でした。幕末の混沌とした世界と、社会の底辺に生きる民衆のエネルギーがよく描いています。ラストの「ええじゃないか」のシーンは圧巻。猥雑なとこも含めて今村昌平ワールド全開です。興行収入が赤字でも、ええじゃないか。
※今年155本目の映画鑑賞。