金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

河                             1951年

ジャン・ルノアール監督

物語
インドの大河ガンジスの流域に当たるベンガル地方に、製麻工場の支配人をつとめる英人一家が住んでいた。父母の元に6人の子があり、1人を除いて皆女の子だった。長女のハリエットは今年14歳、夢見がちな文学少女で、工場主の娘で18になるヴァレリーと米印混血娘のメラニーと3人組の仲良しだった。メラニーは、その生涯の大半をインドに過ごした米人ジョン氏がインド女に生ませた娘で、西欧的な教養も身につけたインド娘であった。
ある時、この平和な生活の中に、ジョン氏の甥で第二次大戦で片足を失った米将校ジョン大尉が入ってきた。はじめてみる白人の青年に、3人の少女は各々心を奪われた…

f:id:tomo2200:20190806212512j:image

原作者ルーマー・ゴッデンの半自叙伝的な同名小説を、フランスの巨匠ジャン・ルノアールが映画化。第12回ヴェネツィア国際映画祭で国際賞を獲得した。

f:id:tomo2200:20190806212750j:image

3人の少女の恋愛を描いた作品ですが、舞台となるインドが作品の重要なテーマにもなって
います。タイトルの「河」は、悠久の流れの聖なるガンジス河であり、インドの思想宗教を表している。

映画の語り手でもあるハリエットの詩。

  “川は流れ 丸い地球は回る

  夜明け ランプの光 真夜中 真昼

  太陽は巡り  夜 星 月が訪れる

  一日は終わり また始まる”

f:id:tomo2200:20190806212803j:image

インドに行くと人生観変わるというけど、この映画を観ていると、なんか納得。

f:id:tomo2200:20190806213243j:image

f:id:tomo2200:20190806213555j:image

監督のジャン・ルノーアルは印象派の巨匠ルノアールの二男だそうです。(手前の赤ちゃんがジャンです。)父親譲りの美的センスを持っているのですね。とても綺麗な映画でした。

f:id:tomo2200:20190806213701j:image

f:id:tomo2200:20190806010019j:image

f:id:tomo2200:20190806010519j:image

3人の少女の早春の瑞々しさ、またインドの風俗や宗教思想を見事に描きだした名作でした。

f:id:tomo2200:20190806214551j:image

※今年171本目の映画鑑賞。