あの子を探して 1999年
チャン・イーモウ監督
物語
河北省の貧しい農村にある小学校に代用教師として働くことになった13歳の魏敏芝(ウェイ・ミンジ)先生が、ある日突然都会へ出稼ぎに行くことによって学校にいなくなった4年生(10才)の腕白な男の子、張慧科(チャン・ホエクー)を探しに行き、数々の苦労を重ねたうえ、これを連れ戻す。
チャン・イーモウの1999年の作品。本作はベネチア映画祭グランプリを獲得。会場を10分以上のスタンディングオベーションで包んだ。
都市と地方の格差、教育の問題などの社会問題を提起しているが政治批判的ではない。
先生と生徒の交流や、人々の善意に心温まるヒューマンドラマ。中国版「二十四の瞳」みたいな感じ。
一カ月50元の代理教師として呼ばれたミンジ。教師不足で13歳の少女を代理教師にするしかない。チョークが貴重品で、村の子供はコーラを飲んだことがない。
都会に出稼ぎに出されたホエクを探して連れ戻そうとする動機も、生徒が一人も減らさなければ貰えるプラス10元のボーナスのため。
ちなみに、当時一元は100円程度。コーラは三元でした。
初めはお金目的だった13歳の代理教師ミンジが、ホエクを連れ戻すために、生徒たちと心を通よわせ、やがて生徒を本気で心配する本当の教師に成長する。
中国の半端ない貧困、中国人のメンタリティには唖然とするものがありますが、感動的なドラマでした。子役らが生き生きしていて素敵な映画です。
※今年180本目の映画観賞。