ブンミおじさんの森 2010年
アピチャートポン・ウィーラセータクン監督
物語
タイ東北部。腎臓の病により死を前にしたブンミおじさん。後先長くないことを悟り、ある時死んだブンミの妻の妹・ジェンとその息子トンを自らの農園に呼ぶ。三人で食卓を囲んでいると、突然女性の幽霊が出現する。それこそが19年前に亡くなったブンミの妻・フエイだった。しばらくすると、今度は長年行方が分からなくなっていたブンミの息子・ブンソンが姿を変えて現れる。愛する者たちを取り戻したブンミは、4人で森の中に入っていく。
第63回カンヌ国際映画祭において、タイ映画史上初めてパルム・ドールを受賞した。審査委員長のティム・バートンは「この映画は私が見たこともない、ファンタジーの要素があり、それは美しく、奇妙な夢を見ているようだった」と述べた。
亡くなった妻の幽霊や、行方不明になった息子が猿の精霊になって出てきますが、生と死の境界は曖昧で、ブンミは幽霊と昔話をしたりします。
作品の世界観になっているアニミズムと輪廻転生は日本人にも馴染み深いもので、どこか懐かしい感じもしました。穏やかなタイの人々の雰囲気もいい感じ。
タイの神秘的な森や美しい農村風景が印象的でした。こんな森には、本当に精霊が集っていそう。
神秘的でファンタスティックな作品で、なかなか面白かったです。ただ、ラストのお坊さんのエピソードが理解できなかった。素直にブンミが他界するところで終わらせても良かったと思うのだが…。
今年199本目の映画鑑賞。