のらくら兵 1928年
ジャン・ルノアール監督
物語
資産家の息子で詩人のジャンとその召使いジョゼフは兵役のため一緒に入隊するが、荒々しいことはまったく苦手なジャンは次々と珍妙な失敗をしでかし上官に睨まれる。
1904年に初演されヒットした舞台劇をジャン・ルノアールが映画化した作品。主演は本作以降ジャン・ルノアールの作品の常連となるミシェル・シモン。
田川水泡さんの漫画は「のらくろ」、こちらは「のらくら」。原題の”TIRE-AU-FLANC“ は「サボる」という意味でしたが、本作により「怠け者の兵士」として辞書に載るようになったそうです。
軍隊喜劇というジャンルの祖となる作品。軍隊でもフランス映画らしく、主人公ジャンの許嫁ソランジュに色目をつかう中尉と恋敵になったりと色恋賑やかなストーリー。
若きトリュフォーは本作を「フランスで作られた最も愉快な映画の一本」と評しているが、なるほどと思います。
パーティでの花火の大騒動など、クライマックスの盛り上げ方が派手で可笑しい。チャップリンの影響もあるようですがサイレント映画ならではのアクションや動きも楽しい喜劇でした。
※今年200本目の映画鑑賞。