白い花びら 1999年
物語
フィンランドの田舎でつつましく暮らす夫ユハと妻マルヤ。マルヤは車の故障で一夜の宿を貸した都会の男シュメイッカに口説かれ、別の人生に目が眩んで家を出る。しかしだまされて道を踏みはずし、妻に逃げられたユハも自暴自棄になっていく。
フィンランドの国民的作家ユハニ・アホの小説が原作。モノクロ・無声映画。
有名な文学作品のパロディと感じます。フィンランド人なら誰でも知っている話をベースにリラックスした進行で語られます。原作を読んでいませんが、時代や舞台は別で、おおまかなプロットは同じらしいです。
野暮ったく仰々しい演技が、B級感を漂わせますが、その辺も計算づくなのがカウリスマキ流ですね。
シュメイッカとマルヤを演じたアンドレ・ウィルムとカティ・オウティネンは「ル・アーヴルの靴磨き」の夫婦役でした。なかなか妙なものです。
言い忘れ。モノクロの印影を利用した心理描写や演出が良かったです。映像に対する”こだわり”が伝わりました。これは監督の趣味の作品かと思います。
※今年237本目の映画鑑賞。