三十九夜 1935年
物語
カナダから帰国した外交官のハネイはロンドンのある劇場でミスター・メモリーという芸人の芸を見物していたが、その最中に殺人事件がおこる。その場に居合わせていたある女がハネイに保護を求めて来たので、ハネイは彼女を自分の部屋に連れて行く。女の名はアナベラ。彼女はイギリスの諜報部員で敵国のスパイに狙われているという。翌朝、彼女は何者かによって背中にナイフを突き立てられ死んでいた。
ハネイは真相を明らかにしようとアナベラが残した手がかりを追ってスコットランドへ向かうが、警察から女の殺人犯として指名手配され、敵国スパイと警察の両方から追われる身となってしまう。
原作はスコットランドの作家ジョン・バカンが発表した同名の小説。ヒチコックのイギリス時代の作品。この映画でヒチコックは彼のスタイルを確立したと言われる。
主演はロバート・ドーナット。彼は1939年「チップス先生さようなら」でアカデミー主演男優賞を受賞している。
ハネイを事件に巻き込む英国の諜報部員アナベラ役のルチー・マンハイム。
ハネイの逃走に巻き込まれるパメラ。殺人犯として追われているハネイを警察に突き出すが、警官を名乗る者が実は敵国スパイの手下。危機を逃れハネイと二人で逃走することに。
完成度の高いサスペンス映画。コメディ的なところも面白い。後の名作「北北西に進路をとれ」のルーツと言っていいかと思います。
しかし邦題をなぜ「三十九夜」にしたのかは不明。映画会社の方が「夜」にした方が客入りが良くなると思ったのでしょうが…。昔はテキトーですね。
※今年8本目の映画鑑賞。