金魚のうたた寝

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そうだ小説を読もう 6

ガダラの豚中島らも

 

アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。彼の著書「呪術パワー・念で殺す」は超能力ブームにのってベストセラーになった。8年前に調査地の東アフリカで長女の志織が気球から落ちて死んで以来、大生部はアル中に。妻の逸美は神経を病み、奇跡が売りの新興宗教にのめり込む。大生部は奇術師のミラクルと共に逸美の奪還を企てるが…。amazon

 

中島らも『ガダラの豚』全3巻セット (集英社文庫)

 

読み終わった時、日本にも、こんなに面白いエンターテーメント小説があったんだ、と驚いた。100%オモチロ。

 

作品中、呪術と資本主義の類似性とか、マリファナに対する考え方とか、中島らも氏の現代文明に対する視点が伺えるところは興味深かった。