最近の漫画が面白くなくなった理由に、出版側のリスク回避、安全志向があると思う。
漫画って、サブカルで、学校に持って行ったら没収される程、低俗なものだった。PTAのママが抗議する程、教育上よろしくない作品があったのだが‥。
魔太郎がくる / 藤子A不二雄
典型的「いじめられっ子」である主人公・浦見魔太郎。毎回様々な人物からいじめを受けるが、いじめに対して、自身の持つ超能力「うらみ念法」などで復讐する。
復讐の方法が、「うらみ念法」を使わず、パワーシャベルで引き裂く、バットて殴り殺す、溺死させる等(そのまんま殺人じゃん)も有り、当時のオリジナルは読めません。
現在入手できるものは、エピソード全133話のうち大幅に描き直された話が34話、欠番扱いとなった話が25話ほどある。
1970年代には、まだ「親父の威厳」が存在しており、これを破壊することでギャグが成立していた。主人公が受ける暴力は、棍棒や針、熱湯などを、現実にはあり得ないもの。現在だったら過激DV。
ワルワル ワールド / 赤塚不二夫
善が悪、悪が善。人殺し以外なんでもありのワルワルワールド。学校では万引きを教える。人命救助は不良のすること。ナンセンスギャグ。
少年警察官、こまわり君の奇行が繰り広げる爆笑漫画。あふりか象が好き! 八丈島のきょん! 死刑!など一発ギャグがヒット。
こまわり君、ちんぽ丸出しだったり、過激な下ネタギャグが多い。時代かもしれないが、こういうの今は描けないのでは。
ハレンチ学園 / 永井 豪
タイトル通り、ハレンチです。スカートめくりの流行とかあって、当時、PTAや教育委員会から少年ジャンプに抗議殺到。集英社はよく耐えたもんだ。
ジャングル黒べえ / 藤子F不二雄
ジャングルから来た黒べえが、魔法を使って繰り広げる珍騒動。アニメ化されており、子供の頃、見てました。「これジャングルの掟」「ベッカンコー」とか面白かった。
人種差別観点で自主規制してしまったようでテレビでは放送されません。ちび黒サンボとか、ダッコちゃん人形とかカルピスの黒人マークとか、いつの間にか消えて行きます。
言葉狩りも厳しいですよね、男女差別とか、障害者差別とか。発言者の意図も関係なくNGワードが増えていく。昔の漫画は改版の際にセリフを修正しているものが沢山あります。
日本は高度成長の混沌とした社会から、成熟した市民社会に変わり、読者も昔より高尚な方が増えたのでしょう。
そして漫画はつまらなくなった。皮肉なものだ。