金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

続編はいらない不朽の名作 4

宇宙戦艦ヤマト

宇宙戦艦ヤマト DVD MEMORIAL BOX

宇宙戦艦ヤマトの魅力はドラマの骨格となるガミラスとの闘いや、個性的な乗組員が織り成す人間ドラマもさることながら、ワープ航法や波動砲など未知のテクノロジー、宇宙へのロマンだった。松本零士さんのメカニックデザインは斬新だったし、第二次世界大戦で沈没した戦艦大和が宇宙船として蘇るアイデアが秀逸だ。

アニメに使われた効果音とか、宮川泰さんの音楽の素晴らしさも忘れられない。

YAMATO SOUND ALMANAC 1977-I「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」

 ヤマトの続編で見れるのは「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」まで

  さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち [Blu-ray]

 ガミラスが滅び、平和になった地球に、新たな脅威(白色彗星帝国)が迫るというエピソードである。地球防衛軍の新造艦「アンドロメダ」とか白色彗星帝国の新しい戦艦が出てきたりして前作にない魅力もあり、劇場版ということで話のテンポもよかった。エンディングについては賛否両論(個人的には嫌い)だが、それでも物語は完結する。

 

ただ、この作品でも既に前作にあったような未知の世界に対するワクドキ感はないし、人間ドラマも薄っぺらで出がらし状態である。 この後のシリーズでは、次から次へと新たな敵が現れて、ヤマトが戦うという不毛なエピソードばかりになる。一度は見ても二度見るには耐えない。

 これに対して、第一作目の宇宙戦艦ヤマト(テレビシリーズ)は、今見ても結構楽しめる。登場人物の葛藤とかドラマがあり、数々の試練を乗り越えて任務を果たしながら乗組員たちが成長していくストーリは古くならないからだ。

老いた沖田艦長が責任を果たして亡くなり、若い古代と森雪が結ばれて、これから再び始まる地球へ帰還する。最高のエンディングで終了。

この後の続編は要らない。