80年代はハリウッド映画が全盛で、邦画ではアニメ以外で面白そうな映画があまりなかったが、唯一、伊丹監督の映画だけは楽しみにしていた。
お葬式 1984年
監督デビュー作「お葬式」がいきなりの大ヒット。「お葬式」がユーモラスで、不謹慎なる笑いを誘う。
タンポポ 1985年
ラーメン屋を立て直すコメディ。マニアックな感じ。なぜかアメリカで受けたらしい。
マルサの女 1987年
国税局査察官、通称マルサの女査察官と脱税者との戦いをコミカルに描く。この作品はしっかりしたエンターテイメントで伊丹映画の人気を確かなものにした。
マルサの女2 1988年
前作の人気を受け続編が作られるが、今回な敵は地上げ屋。バブル当時の社会問題を取り上げた。
マルサの女以降も、次々と作品を発表していたが、伊丹監督の映画では社会的な問題を題材にすることが多く、ヤクザの民事介入暴力(略称:民暴)をテーマとする「ミンボーの女」を公開した後、伊丹監督が自宅近くで刃物を持った五人組に襲撃される事件も発生した。
ミンボーの女 1992年
伊丹監督は1997年、事務所マンションから転落死しており、遺書もあったことから警察は自殺と判断した。しかし遺書がワープロ書きであるなど不自然な点も多く、おそらくは社会問題を取り扱う伊丹映画を面白く思わない組織による偽装殺人だろう。
伊丹監督はエンターテーメントであり、同時にドキュメンタリーという新しい映画を作りました。画面に映る小道具にすら一切の妥協を許さない演出姿勢が伊丹監督の特徴ですが、こだわりのある素晴らしい映画を見せてくれました。
早く亡くなられたことが本当に惜しまれます。
命日が1997年12月20日。もう20年か。
リメンバー 伊丹十三監督