金魚のうたた寝

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小説: 三島由紀夫のレター教室

レター教室   三島由紀夫

三島由紀夫レター教室 (ちくま文庫) 

前記事の森見登美彦さんの「夜は短かし」は彼と彼女が交互に語り手になり話を進める小説でしたが、こういう遊びが出来るのも、作家さんの力量だと思います。

 三島由紀夫のレター教室は職業も年齢も異なる5人の登場人物の手紙のやりとりで話が展開するユニークな小説です。

手紙の内容は、社交的なものから悪口、金の無心と様々で、ユーモアやウィットに富んだものになっています。これだけの手紙を書き分けて物語を作れる三島由紀夫って、やはり天才なんだと思いました。

週刊誌「女性自身」に1966年〜1967年に連載されたもので、鯱張らず、三島由紀夫の遊び心がよく出ている楽しい作品です。