再び、ピンポン
子供の世界には、いつもヒーローがいる。
戦前にもヒーローはいたのか?
いた!
昭和5年、紙芝居作家 永松 健夫氏の作。戦後の妖怪人間ベムとかダークヒーローにつながるデザインですね。
大正時代はら国民の教育水準の上昇した結果、一般大衆向けの雑誌が売れるようなっていた。
大正3年(1914年)には少年マガジンの元になる少年倶楽部が発刊された。少年倶楽部は1936年には75万部売れる人気雑誌になった。
読み物中心の雑誌だが、田河水泡の『のらくろ』を1931年から、島田啓三の『冒険ダン吉』を1933年など漫画も人気となった。
江戸川乱歩の少年探偵団など、子供を対象とした推理小説も書かれるようなった。
講談を書き起こした、立川文庫により、猿飛佐助や霧隠才蔵など忍者ヒーローもこの時期に生み出された。
大衆小説(青年雑誌)では、戦後に映画化され人気となる多くの剣士ヒーローが生み出されている。
鞍馬天狗は大正13年に登場。幕末を舞台に「鞍馬天狗」を名乗る神出鬼没の勤王志士が、幕藩方の新撰組の行く手を阻んで縦横に活躍する。
昭和4年に登場。 決め台詞は「この眉間に冴ゆる三日月形は天下御免の向こう傷、直参旗本早乙女主水之介、人呼んで旗本退屈男」
第二次世界大戦の混乱と戦後のアメリカナイズで私達の意識はつい戦前と戦後を分けがちですが、大衆娯楽という観点では大正時代に始まり現代まで分断なく受け継がれ発展しています。文化というものは強いものですね。