東京物語 1953年
小津安二郎 監督
物語
故郷の尾道から20年ぶりに東京へ出てきた老夫婦。成人した子どもたちの家を訪ねるが、みなそれぞれの生活に精一杯だった。唯一、戦死した次男の未亡人だけが皮肉にも優しい心遣いを示すのだった…
有名な「東京物語」ですが、小津安二郎の映画も観るのは初めてです。
冒頭の旅支度で、夫が妻のカバンに空気枕が入っているはずだと言ってから、やはり自分の荷物の中に入っていたことに気がつくシーンの会話がいい。
「ああ、あった、あった」「ありゃんしたか」「ああ、あった」。
日常ありそうな会話だが、長年連れ添った老夫婦の感じが出ている。
映画全編を通して、老夫婦の息の合った会話は素晴らしく、この演技を観るだけでも価値のある映画だなと思いました。
しかし、この時の笠智衆さん実年齢は49才。老け役の天才だな…。
清楚で美しい原節子さんを観るために、多くの観客が劇場に足を運んだんじゃないかな…アイドル映画的な要素もあると思うのだけど。
真正面カット。目の前に美人が座っているようでドキドキします。これは意図した構図ですね、
世界の映画評論家から高い評価を受けている映画ということで構えて観ましたが、観終わった後の感想としては普通に良い映画でした。撮影技術の素晴らしさはあまり分かりませんが、老夫婦と家族を描いたヒューマンドラマとして秀逸でした。
※今年67本目の映画鑑賞