山椒大夫 1954年
溝口健二監督
物語
平安時代末期、農民を救うため将軍にたてついた平正氏が左遷された。妻の玉木、娘の安寿と息子の厨子王は越後を旅している途中、人買いにだまされ離ればなれになってしまう。玉木は佐渡に、安寿と厨子王は丹後の山椒大夫に奴隷として売られた。きょうだいはそれから十年もの間、奴隷としての生活を続けるが、ついに意を決して逃げ出すことにする。しかし追っ手に迫られ、安寿は厨子王を逃すため池に身を投げるのだった。
溝口映画3本目。
今まで観た映画、西鶴一代女、雨月物語、そして山椒大夫はベネチア国際映画で3年連続受賞した作品だ。
子供の頃に「安寿と厨子王」の絵本も読んだ気がするが、こんなに話だっただろうか?運命の残酷さに途中、何回か見ていられなくなった。やはり年をとると気は弱くなり、涙腺も緩むようだ。
厨子王は山椒大夫の手から逃れて、最後には母と再開するけど、父親は既に他界、安寿は厨子王を逃すため入水して亡くなっていた。悲しい話だが母子の再開は感動的でした。
溝口監督の作り出す映画って文学的。からみつくような湿度の高い文学。なんか上手く言えないけど、情念みたいなもの感じますね。
※今年91本目の映画観賞。