レイジング・ブル 1980年
「ブロンクスの猛牛」とも呼ばれるようになるジェイクが、八百長試合を強いてくる組織との関係などに悩まされながらも栄光をつかみとる。しかし、妻のビッキーやセコンドを務める弟ジョーイに対し猜疑心や嫉妬心を募らせていき、信頼できる人間が離れていくことで凋落していく。
傑作でした。他人さまのレビューを見て感じたのですが、この映画はいろいろ誤解されている。
誤解 その1 「ボクシング映画ではない」
拳闘シーンは迫力があるけど、ボクシング映画ではない。実在のプロボクサー、ジェイク・ラモッタという人物を描いた作品。
実際のジェイク・ラモッタ
誤解 その2 「狂気はテーマでない」
ジェイク・ラモッタは、猜疑心が強く、浮気を疑い妻に暴力をふるったりするが、「タクシー・ドライバー」のような「狂気」を描いた作品ではない。 欠陥があるが普通の人。
誤解 その3 「転落劇ではない」
ボクシングと同様に、人生でも、殴られても殴られても決して倒れない不屈の精神を描いています。
ラストの楽屋のシーンでは、過去の失敗から学び、未来へ挑戦しようとするジェイク・ラモッタがいます。試合に臨むボクサーのように、闘志をたぎらせて舞台に向かいます。
これは傑作。凄いぞスコセッシ。
※今年111本目の映画観賞。