金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

無法松の一生

無法松の一生      1958年

稲垣浩監督

物語

北九州の小倉。人力車夫の富島松五郎が戻ってきた。喧嘩っ早く無鉄砲なため無法松と呼ばれる彼だが人情味は人一倍。ある日、彼は稼業の道すがら木から落ちて怪我をした少年を助ける。少年は吉岡大尉の一粒種・敏雄であった。これをきっかけに、彼は親しく吉岡家に出入りするようになる。ところが大尉は演習で雨に打たれた風邪が元で急逝してしまう。それからの松五郎は敏雄のよき遊び相手ともなり、淋しい母子の力となった。時は流れ、敏雄は成人した。大正六年の祇園祭り。案内役の松五郎は、敏雄への離愁、夫人への慕情と、その複雑な思いを胸に祇園太鼓を打つのだった…。

f:id:tomo2200:20180722154848j:image

f:id:tomo2200:20180722155221j:image

f:id:tomo2200:20180722155233j:image

無法松の一生」って演歌で聞いたことがあるけど、任侠の話かと思っていました。人力車夫の話なんですね。

松を演じるのは三船敏郎ですが、やはり豪快な役柄は合います。芝居小屋の喧嘩のエピソードでは、親分(笠智衆)の仲裁を受けるシーンがあって、小津監督と黒澤監督のスターが共演しているようで面白かった。

f:id:tomo2200:20180722155805j:image

f:id:tomo2200:20180722162248j:image

小倉生まれで玄海育ち〜泣くな嘆くな男じゃないか〜♪   切ない恋の話なんですね。

明治・大正時代、まだ身分制度が残っている時のお話。松と母子との交流を丁寧に描いた心温まる名作でした。

※今年132本目の映画観賞