うなぎ 1997年
今村昌平監督
物語
浮気した妻を殺した罪で8年の刑を終え、仮出所してからは床屋を開き、黙々と働いている主人公・山下(役所広司)。水槽に飼っているうなぎにしか心を開かない彼だったが、自殺未遂した女性・桂子(清水美砂)と知り合い、共同生活を送るようになってから、次第に何かが変わりはじめていく…
カンヌ映画祭でパルムドールを獲った作品なので、難しい映画かなと思っていましたが、わかりやすく見やすい映画でした。
映画の出だしはサスペンスドラマみたいでしたし、下世話に、事情ある男と事情ある女のラブストーリーです。
妻を殺してしまい罪の意識を引きずる主人公は、ともすれば暗い内容になりがちですが、ユーモラスな表現と周囲の登場人物の人情が作品を明るくしています。最後は乱闘シーンまでありエンターテーメントでした。
初期の黒澤明監督の作品みたいに娯楽性と芸術性が両立しています。映画はこうでなくちゃけないよ。傑作でした。
※今年164本目の映画観賞