金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

笛吹川

笛吹川                    1960年

木下恵介監督

物語

時は戦国、武田家が支配する甲斐国笛吹川に架かる橋の下に“ギッチョン籠”と呼ばれる貧しい農民一族が住んでいた。相次ぐ戦の混乱で次々と男手を亡くしていく中、若き定平がおけいを嫁にとり、長年の苦労の末、ようやくして子宝にも恵まれる。しかし、やがて成長したその子たちも戦へと赴いていき……

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甲斐武田の興亡を背景に、農民一族の数世代に渡る物語を描いているのだが、その顛末に、人間の愚かさや、諸行無常を感じさせる。

映像にも力を入れているようで、数々の合戦のスペクタクルは迫力があります。演出でも白黒映画に彩色を施したパートカラーなど斬新な試みをしており、木下監督がこの映画にかけた意気込みが伝わってくる作品です。

この作品でも高峰秀子が凄い。おけいの若い頃から老いた母親までを見事に演じきっている。見応えのある映画でした。

※今年185本目の映画観賞