敵中横断三百里 1957年
森一生監督
物語
奉天会戦前の帝国陸軍は余力が尽き、ロシアの陸軍との決戦で勝利すること以外に戦争終結の道がなかった。この重大な局面でロシア軍の情報を得ようと斥候隊が編成され、敵地に送られた。
日本軍24万、ロシア軍36万、日露の雌雄を決する奉天会戦を勝利に導いた、建川挺身斥候隊の活躍を描いた作品。
原作は1930年に「少年倶楽部」に連載された山中峯太郎の小説「敵中横断三百里」。現在では忘れられた英雄だが、戦前はベストセラーになるほど有名な話だったらしい。
この作品は黒澤明・小國英雄が戦時中に書いた脚本を使用して1957年に制作されたものです。黒澤明の名前がなければ、現在DVDで観ることは出来なかったでしょう。
軍国主義的な英雄譚という批判はあるかもしれませんが、国のために命の危険を顧みずに困難な任務に挑む建川中将ら斥候隊の勇気、雄大な中国大陸1200キロを騎馬で駆ける格好の良さ、隊長と隊員らの強い絆などが描かれていて、戦前の子供たちが熱狂したのも理解できます。面白かった。
※今年216本目の映画鑑賞