善魔 1951年
木下恵介監督
物語
新聞社の編集部長・中沼は、かつて想いを寄せていた政治家の妻・伊都子の失踪事件を追うよう、部下の三國に命じた。三國は記事にしないことを約束に、親友の家に隠れていた伊都子の取材に成功し、同時に彼女の妹・三香子と恋に落ちるのだが……
三國連太郎のデビュー作。本作の役名をそのまま芸名とした。(逆だけど)若い頃の三國蓮太郎は佐藤浩市にそっくりです。
森雅之と淡島千景、三國連太郎と桂木洋子、それぞれの悲恋が哀しい。ざっくり言うとメロドラマです。
難解なのは「善魔」なるテーマ。劇中の会話から「悪魔」に対峙する魔性のような力を持った「善」を「善魔」と云い、三國蓮太郎の若さや純粋こそが「善魔」らしいですが、ちょっと哲学的で消化不良な感じです。「愛と誠」みたいな直球タイトルなら呑み込み易いと思うのですけどね。
なかなか面白い作品です。50年代の日本映画は凄いな。
※今年224本目の映画鑑賞。