渚にて 1959年
物語
第三次世界大戦が勃発し、世界全土は核攻撃によって放射能汚染が広がり北半球はすでに全滅。僅かに残った南半球の一部地域に人々が暮らすだけになっていた。そんなある日、本国に帰港出来なくなったアメリカ原子力潜水艦がメルボルンに入港する。そこで艦長タワーズは美しい女性モイラに出会いしばしの休日を楽しむが、その地にも死の灰は確実に迫っていた……
「キリマンジャロの雪」を観たばかりですが、この映画も、グレゴリー・ペック 、エヴァ・ガードナー が主演でした。
核戦争後の世界。僅かに残った土地で人々は普通の生活を続けています。やがて飛来してくる放射能を避ける術はなく、ただ死を待つ静かな恐怖感が描かれています。
この映画は、if (もしも)を描いています。作品の中では人類が絶滅を逃れる手段はありませんが、映画を観ている我々には核戦争を避ける手段が残されていると教えてくれます。
メルボルン州議事堂前の横断幕には、”There is still time..Brothers” (兄弟たちよ、まだ時間はある)と書かれています。
この映画は、1959年、米ソ冷戦の真っ只中で作られました。それから半世紀が経ちますが、今も、核兵器により人類が絶滅する可能性は無くなっていません。むしろ核兵器が拡散しており危険性が増しているかもしれません。
映画としてはテンポが悪くて眠くなるところもありますが、なかなかの大作でした。
※今年3本目の映画鑑賞