桐島、部活やめるってよ 2012年
吉田大八監督
物語
田舎町の県立高校で映画部に所属する前田涼也は、クラスの中では静かで目立たない存在。監督作品がコンクールで表彰されても、クラスメイトには相手にしてもらえなかった。そんなある日、バレー部のキャプテンを務める桐島が突然部活を辞めたことをきっかけに、各部やクラスの人間関係に波紋が広がりはじめる。
早稲田大学在学中に小説家デビューし、第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウの同名小説を吉田大八監督が映画化した青春群像劇。
公開当初は人気がなかったが鑑賞者による口コミの広がりにより6か月以上に及ぶ異例のロングラン上映となった。第36回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀編集賞の3部門を受賞。
↓人物相関図
この映画の宣伝に「教室という格差社会」という言葉が出てくる。スクールカーストなど教育現場での問題を意識したものだが、社会派作品を気取った感じで気味が悪い。そんな内容ではない。
また最後まで正体が明らかにならない桐島がこの映画の解釈を難解にしている。(桐島はキリストだという超解釈まで…。カルト的ですね。)
一番好きなシーン。
屋上から好きな男の子(宏樹)を見ながら練習するのが好きな吹奏楽部の部長(亜矢)
ある日、いつものように屋上で練習していると、宏樹が別の女の子とキスしている。動揺して、吹いているサックスの調子が狂ってくる…切ない片思いの失恋。名シーンだな。
宏樹の「なんちゃてインタビュー」に映画を撮る情熱を語る前田。ハンサムで器用に生きる宏樹は自分に無いものに気が付かされる…。夕方の屋上の情感が好きだな。
で、結局、桐島って何だよ?って感じが残るよね…。単なるマクガフィンです。
素直にハイスクール・グラフィティーとして観ればいいのではないでしょうか。
※今年74本目の映画鑑賞