金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

裏窓

裏窓          1954年
アルフレッド・ヒチコック監督
物語
カメラマンのジェフは事故で足を骨折し、車椅子生活を余儀なくされる。そんな彼にできる楽しみは、カメラの望遠レンズを使って裏窓から見る隣のアパートの住人達の人間模様の観察であった。
ある日、いつも口喧嘩が絶えなかった中年夫婦の妻が突如として姿を消す。セールスマンらしい夫の怪しい挙動を観察していたジェフは、数々の状況証拠から殺人事件と確信。恋人リザと共に調査に当たる。事件を認めない友人の刑事を納得させるため、確たる証拠を掴もうとする2人に危機が迫る…

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ヒッチコックの傑作サスペンス。

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ヒチコックはこの映画ではカメラは動けないジェフの視野の範囲しか写しません。

身動きのとれない主人公のインセキュアな状態を感じさせ、カメラが写さない残酷なシーンを観客に想像させて緊迫感を盛り上げます。

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他人のプライバシーを「覗く」という行為自体が犯罪的な緊張感がありますね。覗かれている人か、カメラの視野から外れたり、カーテンを閉めたり、実際に覗きをしているような気分になります。

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モデルと冒険好きな写真家、結婚を迫るリザに対して自由を縛られたくないジェフは住む世界が違うと断るのだか、事件を通してリザはジェフ以上に捜査にのめり込み、ジェフも心境を変化させていく。面白い。

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小さな裏庭を舞台に世界をも描き出す、ヒチコックの”技あり”の映画でした。

※今年112本目の映画鑑賞。