わが街 1991年
物語
ロサンゼルスに住む弁護士のマックはもう若くはないことに焦燥感を抱いており、その悩みを友人の映画プロデューサー、デイヴィスに打ち明けるが、バイオレンス映画ばかり手がける彼はてんで取り合わない。そんな話をした帰り道、マックは車が故障し物騒な黒人地区に迷い込んでしまい、黒人少年たちにからまれるが、その時、レッカー車が到着し、サイモンという黒人の運転士に救われる…
人種問題や貧困などから治安が悪化しているロサンゼルスを舞台に、そこに住む6人の男女の物語を描いたヒューマン・ドラマ。第42回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞。
サイモンに助けられたマックは、サイモンとの交流を深め、サイモンの為にできることを考えるようになる。この映画のメッセージは明快だ。「分断を乗り越え、お互いに助け合って生きていこう」というものだ。
映画が公開された翌年の1992年にはロサンゼルス暴動もあったから、現実の厳しさも感じてしまうが、それだけに切実なメッセージであると言える。
原題は「グランド・キャニオン」。Wミーニングです。一つは、人種や格差で分断したアメリカ社会を象徴していて、もう一つは、壮大な景観を前に、人の行いや対立のくだらなさを訴えるものです。
つまり、こんな映画なんです…。ポスターも夕陽に向かって叫んでるし。↓
※今年116本目の映画鑑賞。