アルファヴィル 1965年
物語
コンピューターに支配されたディストピア、星雲都市“アルファヴィル”に秘密諜報員、レミー・コーションが、消息不明の人物を探す任務を受け潜入する。
1965年ベルリン国際映画祭において最高賞である金熊賞を受賞、同年のトリエステSF映画祭でもグランプリを受賞。
ジャン=リュック・ゴダール自身が「実験的・芸術的・半SF」と名付けたている。
SF的なガジェットは少なく、そのままパリを舞台にしている。近未来的なイメージがあるのはアートっぽい螺旋階段くらい。監督自身が”半”SFと言っているとおり、SFではなく政治風刺の方が強い。
ハードボイルドな主人公が、任務で知り合った謎の美女(アンナ・カリーナ)を連れて、アルファビルを脱出するあたりは、ブレード・ランナーのようだった。もしかしたらリドリー・スコットに影響を与えたのかもしれない。
ゴダールのSF、しかもベルリン映画祭で金熊賞を受賞作品だが、正直なところ期待外れな感がある。AIが進歩した現在、コンピュータが支配するディストピアは現実味を増した分、当時の空想がお粗末に見えるからだろうか。
※今年150本目の映画鑑賞。