月はどっちに出ている 1993年
崔洋一監督
物語
多国籍都市・東京。在日コリアンのタクシードライバー忠男は、朝鮮学校の同級生だった社長や、風変わりな同僚達といい加減な毎日を送っている。母の経営するフィリピン・パブのホステス送迎を日課にしている彼はある日、新顔のチイママ・コニーに出会う。妙な大阪弁で生意気な口をきくコニーに、なぜか魅かれた忠男は、留守の間に彼女の部屋に引っ越してしまう。
崔洋一監督作品、原作は梁石日の自伝的小説「タクシー狂操曲」。第17回日本アカデミー賞を初め多くの賞を獲得。
在日コリアンとフィリピン人の恋愛を描いた物語。岸谷五郎と(大阪弁の)ルビーモルノの演技は良かった。
1993年は細川護熙が総理大臣になり、55年体制が終了したと言われた。この映画もバプル崩壊後の混沌とした雰囲気が漂う。コスモポリタン的な作品。なかなか面白い映画だった。在日コリアンのリアルを感じた。
※今年183本目の映画観賞。
追記。残念な日韓関係
「月はどっちに出ている」が公開された1993年当時、韓国はまだ「近くて、遠い国」だった。この10年後には「冬のソナタ」で空前の韓流ブームが起こる。
一方、2002年の日韓共催Wカップを契機に日本人に「嫌韓」も意識されるようになる。
「嫌韓」の流れを決定的にしたのは李明博の竹島上陸と天皇謝罪発言から。更に、朴槿恵、文在寅、と韓国の病的な恨日により、遂に…
日韓断交(断韓)とまで言われるようになる。
隣国との友好関係は互いに大切なのは間違いない。
脱「恨日・嫌韓」の流れを両国のリーダーが作るべき頃だと思います。実に、夜明け前が一番暗い。
おしまい