金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

けんかえれじい

けんかえれじい   1966年
鈴木清順監督
物語
昭和初期、岡山中学の南部麒六は「喧嘩キロク」とあだ名されるほどの喧嘩好き。下宿屋の娘・道子に想いを寄せるつつ、喧嘩に強いが女にゃ弱い。道子とは口もきけないのだ。
麒六は喧嘩で放校処分となって会津に転校。その地でも腕っぷしひとつでのし上がっていく。

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高橋英樹浅野順子らが出演。昭和10年頃の旧制中学において「バンカラ」と呼ばれた少年たちが喧嘩に明け暮れる日々を描いた、鈴木隆の同名小説が原作。

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喧嘩好きだが、女性に弱いという硬派純情派。高橋英樹の演技は好印象。

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コミカルなシーンが多いが、麒六と道子との恋の行方にはシリアスでした。立派な青春映画です。

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昭和初期の話で2.26事件の思想的な主導者、北一輝が登場する。麒六は北一輝に惹かれ上京するのだが…。気になる続編は作られなかったのが残念。

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※今年184本目の映画観賞。

 

追記、バンカラは何処へ行った?

麒六は、硬派でバンカラな学生だ。このバンカラという言葉は、明治時代に西洋風を意味するハイカラをもじったもので、粗末な服装ながら質実剛健を尊ぶ学生らのスタイルを野蛮のバンからバンカラと称された。

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このスタイルは昭和の漫画にも受け継がれる。

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いまや令和。「バンカラ」は絶滅したと思われるが、今でも学生服は「学ラン」と呼ばれたりする。この学ランの「ラン」は、明治時代に西洋風の服を「蘭(オランダ)服」と呼んだことから来ているらしい。意外なところでバンカラは生きているのだ。


我が良き友よ - かまやつひろし

おしまい