マッチ工場の少女 1990年
物語
フィンランドの田舎町。マッチ工場で働いて稼いだ僅かな金で母と義父を養う少女イリス。ある日彼女は、もらったばかりの給料で自分のドレスを買ってしまう。 怒った義父は彼女を殴り、母はドレスの返品を命じる。とうとう我慢できなくなった彼女は、家を飛び出してディスコへ向かい、そこで出会った男性と一夜をともにする。しかし彼女は彼にも裏切られ…
アキ・カウリスマキ監督作品。「罪と罰」と同じDVDに収録されていた70分程の短編映画。
ざっくり、マッチ工場で働く寡黙な少女イリスが、ろくでなしの両親や裏切った男を毒殺する話です。
シリアスなストーリーだけど、結局、ブラック・コメディなのです。サスペンスの巨匠、ヒチコック監督が「殺人は最大の喜劇」という名言を残していますが、まさにこれ。
イリスの行動はパンク的。使用される音楽もロックが多く、シニカルな歌詞がファンキーでした。
とは言え、↓ のポスターような”あけすけ"なコメディではありません。ヨーロッパ的なシニカルな笑いは日本では受けが悪いのでしょう。商業的な事情はわかるけど、作品の芸術性を無視した酷いポスターだ。
短い映画、キレがあって面白かった。監督の鬼才ぶりを感じさせます。
※今年206本目の映画鑑賞。