コンタクト・キラー 1990年
物語
長年勤めた職場を追われ、家族も恋人もなく、人生に絶望したアンリは、自殺を試みるもうまくいかず、思い余ってプロの殺し屋“コントラクト・キラー”に自分の殺しを依頼する。が、その直後、アンリは花売り娘のマーガレットと恋に落ちてしまい…
88年の「真夜中の虹」、90年の「マッチ工場の少女」と「コントラクト・キラー」を監督が自ら“負け犬三部作”と称している。
主人公アンリを演じるのは、ジャン・ピエール・レオー。「大人は判ってくれない」のアントワーヌ少年。びっくりしたな〜。
自分の殺しを依頼しに来たアンリとチンピラの会話。
「なぜ死ぬんだ?」
「個人的な理由だ」
「人生は美しいぞ。神の賜ったものだ」
「美しい花を見ろよ、動物に、鳥たち」
「この美しいグラスが死を望んでるか?」
「仕事をクビになった」
「新しい仕事を探せばいいだろ?」
「おれ達も働いてねえが、この通り幸せだぜ」
殺し屋やチンピラに人生の素晴らしさを教えられるハメに…
自分の殺しを依頼した後に、運命の女性と出会い生きる希望が湧くという皮肉。男は依頼をキャンセルしようとするが、時遅く、殺し屋に狙われることになる。
殺し屋は、末期の肺癌で余命は1カ月と医師に宣告されていた。人の命を狙う殺し屋もまた病魔に命を狙わている。皮肉な設定が面白い。
カウリマスキの微妙にズレた笑いは”オフ・ビート”と言われるそうですが、この微妙さは名人芸ですね。面白かったです。
※今年236本目の映画鑑賞。