ドライビングMissデイジー 1989年
物語
1948年、夏。長年勤めた教職を退いたデイジーは未亡人。まだまだ元気いっぱいの彼女だったが、寄る年波には勝てず、ある日運転中にあやうく大事故を引き起こしかける。亡くなった父の跡を継いで会社の社長となっていた息子のブーリーは、そんな母の身を案じ、専用の運転手を雇うことにした…
老女デイジーと、初老の黒人運転手ホークとの友情を描いたヒューマン・ドラマ。作品賞ほかアカデミー賞4部門を受賞した。
映画のタイトルから、デイジーが運転する話かと思っていたのですが、デイジーは運転しません。運転するのは黒人の運転手ホークです。ドライビングには「人使いの荒い」という意味があって、運転とかけていたのですね。
デイジー役のジェシカ・タンディ、ホーク役のモーガン・フリーマンは良かったですね。二人の演技がユーモラスで、いい雰囲気の映画でした。
ジェシカとホークはラストシーンでは同じテーブルに着いています。ジェシカはもともと人種差別主義者ではなかったのですが、それでも二人が同じテーブルに着くのには25年もの月日が必要だったのですね。
劇中、キング牧師の演説が印象的でした。
「社会が激動している今、この時、歴史に残る最大の悲劇は、悪しき人々の過激な言葉や暴力ではなく、善良な人々の沈黙と無関心な態度です。我々の世代が後世に恥ずべきは、“暗闇の子”の言動ではなく、“光の子”が抱く恐怖と無関心さなのです。」
無関心もまた差別なのですね。
事件らしい事件もなく、淡々とした味わいの作品、やや物足りなさも。
※今年248本目の映画鑑賞。