救命艇 1944年
物語
第2次世界大戦下、大西洋上を航行していた客船が、ドイツの潜水艦Uボートの魚雷攻撃を受けて沈没した。脱出に成功した7人の男女は、1隻の救命艇にたどり着く。そこへ、連合国軍によって撃沈されたUボートの生き残りであるドイツ兵も乗り込んできて…
「怒りの葡萄」のジョン・スタインベックの原案をヒチコックが映画化。洋上に浮かぶ救命艇での密室サスペンス。
冒頭のシーン。客船が沈没し海上に漂うトランプ。これから始まる救命艇でのドラマや駆け引きをイメージさせます。
カードの中に見えるクイーンは、このドラマのアイコンになるフォト・ジャーナリストのコリーでしょうかね。さりげないけど憎い演出だな〜。
舞台は救命艇だけ、限られた空間での人間模様を見せる密室劇ですが、戦争の緊迫感や、嵐や食料不足などサバイバル的な要素もあり全く退屈しません。
救命艇に救助されたUボートの船長ウィリーは協力するフリをしながら救命艇を味方の補給船に向かわせようと図ります。ウォルター・スレザックの怪演は見どころ。
この映画は実は20年以上前にテレビで観て、筋書きの巧みさが強く印象に残った作品です。
ヒチコックは大作、名作が多すぎて、マイナーな本作はあまり評価が高くないようですが、個人的には傑作だと思います。こういうキレのある作品は大好き。🙌
※今年249本目の映画鑑賞。