金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

忘れられた人々

忘れられた人々                  1950年

ルイス・ブニュエル監督

物語

メキシコシティの貧民街、そこに暮らす人々―少年たち、盲人、少年の親など―は誰もが皆、何者かから忘れられた存在である。母から拒絶されているペドロはいつもグループの仲間とつるんで、盲人ドン・ロペ等から盗みを働いている。リーダー格ハイボの殺人を目撃したペドロは、口止めされる。母に認められようと心を入れ替え、仕事を得るペドロだが、その前には常にハイボが立ちはだかる―

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「アンダルシアの犬」など前衛的な作風で知られるルイス・ブニュエル監督の作品。メキシコの貧民街の少年たちと彼らが犯罪に至る様子を描く。1951年のカンヌ映画祭で監督賞を獲得。

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感化院を脱走してきたハイボ。ハイボはフリアンがたれ込んだせいで感化院に入れられたと思い込んでいて、ペドロにフリアンを呼び出させ殺してしまう。

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ハイボから口止めされるペドロ。殺人の現場を目撃したことからハイボとの悪縁が始まる。

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母親に拒絶され非行に走るペドロだが本心は善良な少年であった。悪縁を断ち切るべくペドロは遂にハイボに立ち向かうことになるが…

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自然文学的なリアリズムとルイス・ブニュエルらしいシュールが混ざった作品。強い衝撃を与えるラストシーン。素晴らしい!👏

この映画は実はメキシコシティからの要請で、犯罪の抑止や啓蒙と言う教育的な目的で作られたそうですが、あまりに衝撃的で教育には使えないね(笑)。

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おまけ、日本のポスター。悲しくなるほど大衆的な売り込みコピー。日活映画かよ。😭

※今年256本目の映画鑑賞。