州崎パラダイス赤信号 1956年
川島雄三監督
物語
特飲街「洲崎パラダイス」に当てもなくやってきた義治と蔦枝。流れ者だった二人はここから真っ当な人生を歩むことにし、蔦枝は「洲崎パラダイス」の入り口に建つ飲み屋で、義治は飲み屋の女将の世話で近所のそば屋で働くことになるのだが…
芝木好子原作の「洲崎パラダイス」を川島雄三監督が映画化したもの。監督自身が最も愛着を持っていたという。
所持金も尽き、行く当てもない二人が勝鬨橋で「これからどうしよう」と思案するシーンから始まります。女に引っ張られる形て二人はバスに乗り州崎弁天町へ行きます。
州崎は現在の江東区東陽1丁目あたり。戦前には根津から移った遊郭あり、戦後も売春防止法の施行(1958年)までは赤線区域として賑わっていたそうです。
主役も脇役もしっかり。飲み屋の女将、轟夕起子さんの演技が上手い。
いい映画って時代を映し出すのですね。現在見ると戦後の生活や風俗も伝わる貴重なフィルムです。男女の腐れ縁を描いたような物語ですが成瀬とも違う清新さあり、情感溢れる映画でした。素晴らしい。👏
※今年31本目の映画鑑賞。